屋根漆喰が剥がれる原因と対策|補修のタイミングや修理費用の目安を解説
屋根漆喰は、葺き土(ふきつち)を保護することで、瓦の固定や防水の役割を果たしています。
しかし、経年劣化や自然災害によって剥がれると、雨漏りや瓦のズレが発生し、修理費用が高額になる可能性があります。
「このまま放置しても問題ないのか」「修理費用はどの程度かかるのか」などの疑問をお持ちの方もいると思います。
今回のコラムでは、埼玉県で多くのリフォームを手掛けてきた工務店『ナジャムのリフォーム』が、屋根漆喰が剥がれる原因と対策を詳しく解説します。
目次
屋根漆喰の役割と重要性
屋根漆喰は、瓦の結合を補強し、防水性を高めるために使われる伝統的な建築材料です。
漆喰は、石灰、砂、水などの自然素材を混ぜて作られ、耐久性と防水性に優れています。
屋根における漆喰の役割
屋根漆喰の主な役割は、以下のとおりです。
- 防水:瓦と瓦のすき間を埋め、雨水の浸入を防ぎます。
- 葺き土の保護:瓦の下に敷かれた葺き土を雨から守ります。
- 美観の維持:瓦の整然とした並びを保ち、屋根の外観を美しく維持します。
屋根漆喰は必要ないと言われる理由
近年、「屋根漆喰は必要ない」と言われることがあります。
その主な理由は、以下のとおりです。
- 気候変動の影響:漆喰は湿気に弱く、降水量の増加や異常気象によって劣化が早まる傾向があります。
- メンテナンスの難しさ:漆喰の補修には専門的な技術が必要で、定期的な点検や修理にコストがかかります。
- 代替材料の進化:シリコンシーラントやポリウレタンフォームなど、耐久性が高く施工が簡単な現代の建材が開発されています。
漆喰には独自の利点もあります。
自然素材であるため環境に優しく、伝統的な日本建築の美しさを保つうえで重要な役割を果たしています。
埼玉県で屋根のリフォームを検討中の方は、ナジャムのリフォームにお問い合わせください。
【埼玉県でリフォームを検討中の方へ】
ナジャムのリフォームでは、現場の調査からお見積書提出まで無料で行っています。しつこい営業などは一切ありませんので、お気軽にお問い合わせください。
屋根漆喰が剥がれる原因とは
屋根漆喰は、瓦屋根を支え、雨水の浸入を防ぐ重要な役割を果たしています。
しかし、以下の原因によって屋根漆喰が剥がれることがあります。
- 経年劣化
- 地震や台風などの自然災害
経年劣化|20〜30年で劣化が進む
屋根漆喰は、一般的に20〜30年ほどで劣化が進むとされています。
紫外線や雨風、気温の変化など、常に過酷な環境にさらされているため、年月とともに次のような症状が現れます。
- ひび割れ:寒暖差による膨張・収縮を繰り返し、表面に細かいひびが入る
- 剥がれ:ひびが進行すると、漆喰が剥がれ落ちる。
- 粉化:漆喰が白い粉状になり、ボロボロと崩れる。
また、屋根の劣化スピードは、住宅の立地条件や屋根の構造によって異なります。
以下のような環境では、漆喰の劣化が早まる可能性があります。
- 湿気の多い地域・環境
- 日当たりが強すぎる場所
- 急勾配の屋根と緩勾配の屋根
湿気が多い地域や日当たりが強い場所では、屋根の定期的な点検が欠かせません。
地震や台風などの自然災害|強風や揺れが大きなダメージに
日本は地震や台風が多く、強い揺れや強風が屋根の耐久性に影響を与える可能性があります。
地震の揺れで瓦がズレると、それに伴い漆喰も割れたり剥がれたりすることがあるため、大きな地震の後は、屋根にひび割れやズレがないか点検が必要です。
台風シーズンには、瓦の間に風が入り込み、漆喰が飛ばされることがあります。
築年数が経過した屋根は、強風による剥がれが発生しやすいため、必要に応じて専門業者に点検を依頼するのがおすすめです。
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屋根漆喰の剥がれを放置することによるリスク
屋根漆喰が剥がれても、直ちに雨漏りや瓦の落下につながるわけではありません。
しかし、漆喰には瓦の下にある葺き土を保護する役割があるため、放置すると葺き土が流出し、屋根の耐久性が低下します。
葺き土の流出で瓦がズレるリスク
瓦屋根の構造では、瓦そのものを支えているのは葺き土であり、漆喰は葺き土を保護する役割を果たしています。
そのため、漆喰が剥がれた直後に瓦がズレることはありません。
しかし、剥がれた部分から雨風が入り込むと、葺き土が徐々に流出するため、時間が経つと瓦の固定力が弱まり、ズレが発生しやすくなります。
雨漏りのリスク
漆喰が剥がれると、瓦のすき間から雨水が入り込みやすくなります。
ただし、漆喰の剥がれそのものが直ちに雨漏りの原因となるわけではありません。
漆喰の剥がれによって葺き土が流出するため、長期間放置すると防水機能が低下し、雨漏りにつながります。
雨漏りが発生すると、カビやダニの発生を促し、住環境の悪化にもつながるため、早めの点検と補修が重要です。
雨漏りの原因や対処法などについては、こちらの記事で確認できます。
【関連コラム】雨漏りする時としない時がある理由|放置するとどうなるか、対処法などを解説
屋根漆喰の補修方法と費用相場
屋根漆喰の補修には、専門的な技術が必要です。
以下のようなケースでは、早めに専門業者に相談しましょう。
- 漆喰が大きく剥がれている場合
- 複数箇所で劣化が見られる場合
- 瓦がズレ、葺き土が流出している場合
- 屋根の全体の補修が必要な場合
屋根漆喰補修の流れ
専門業者に依頼すると、屋根漆喰の補修は以下の流れで進められます。
屋根漆喰補修の基本的な工程 |
---|
①現状調査:剥がれの程度や原因を特定します。
↓ ②古い漆喰の除去:剥がれた漆喰や汚れを取り除き、補修面を清潔にします。 ↓ ③下地処理:必要に応じて下地を整えます。 ↓ ④漆喰の調合:漆喰を適切に配合します。 ↓ ⑤漆喰の塗布:専門技術を用いて漆喰を塗ります。(必要に応じて補強材を使用) ↓ ⑥乾燥と仕上げ:適切な乾燥時間を確保し、必要に応じて防水処理や保護コーティングを施します。 |
屋根漆喰の補修費用相場
屋根漆喰の補修方法は、大きく分けて次の2種類あります。
- 漆喰の詰め直し:瓦と瓦の間に塗布した古い漆喰を取り除き、新しい漆喰を詰め直す補修工事
- 棟瓦の取り直し:屋根の頂部にある棟瓦のズレ修正と漆喰の詰め直しをまとめて行う補修工事
それぞれの一般的な補修費用は、以下のとおりです。
補修方法 | 費用相場(円/m2) |
---|---|
漆喰の詰め直し | 4,000円〜7,000円 |
棟瓦の取り直し | 8,500円〜12,000円 |
一般的な住宅(棟の長さ約60m)の場合、総費用の目安は以下のとおりです。
- 漆喰の詰め直し:24〜42万円
- 棟瓦の取り直し:51〜72万円
上記に加え、足場設置費用(600〜800円/m²)が必要です。
ただし、これらはあくまで目安の費用相場です。
費用は、施工面積の広さや屋根の勾配・高さなどによって変動するため、詳細は補修工業者に見積もりを依頼しましょう。
埼玉県で屋根のリフォームを検討中の方は、ナジャムのリフォームにお問い合わせください。
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屋根漆喰のメンテナンスと長持ちさせるコツ
屋根漆喰は、適切なメンテナンスを行うことで寿命を延ばし、剥がれや劣化を防げます。
屋根漆喰を長持ちさせるためのポイントは、以下のとおりです。
- 定期的な点検を行う
- 予防的メンテナンスを実施する
- 劣化が進む前に早めの補修をする
定期的な点検を行う
屋根漆喰の劣化は初期段階では気づきにくいため、定期的な点検が重要です。
築10年以上の住宅は、2〜3年ごとに専門業者の点検を受け、台風や地震の後は屋根の状態を注意深く確認しましょう。
- 漆喰にひび割れや剥がれがないか
- 瓦のズレや浮きがないか
- 屋根に苔やカビが発生していないか
- 高所カメラを使用し、屋根全体の状態を確認する
- 雨漏りの前兆がないか
雨漏りの前兆を内側から確認する方法や対策については、こちらの記事で確認できます。
【関連コラム】雨漏りの内側からできる修理方法と注意点|応急処置から業者依頼まで詳しく解説
予防的メンテナンスを実施する
予防的メンテナンスは、漆喰の寿命を延ばし、剥がれを防ぐために効果的です。
- 定期的な清掃:屋根の汚れや落ち葉を取り除き、漆喰への負担を軽減する。
- 適切な湿度管理:屋根裏の換気を改善し、過度な湿気を防ぐ。
- 定期的な塗り替え:漆喰は湿気を吸収しやすいため、定期的な塗り替えが効果的です。
劣化が進む前に早めの補修をする
「少し剥がれているけど、まだ大丈夫」と放置すると、修理費用が高額になる原因となります。
小さなひび割れや剥がれの段階で補修すれば数万円で済みますが、放置すると葺き土の流出や瓦のズレが発生し、最終的には屋根全体のリフォームが必要になることもあります。
補修のタイミングを見極めるポイントは、以下を参考にしてください。
- ひび割れが発生している
- 漆喰が部分的に剥がれている
- 漆喰の粉化(白い粉が出る)
定期点検と適切なメンテナンスを行い、屋根を長持ちさせましょう。
屋根の葺き替えを検討中の方は、こちらの記事も参考にしてください。
【関連コラム】屋根をガルバリウム鋼板にする際のリフォーム費用の相場|後悔しないためのポイント、メリット・デメリットなど解説
まとめ
屋根漆喰の剥がれを放置すると、葺き土が流出し、瓦のズレや雨漏りを引き起こし、大規模な修理が必要になることもあります。
雨水が浸入すると屋根全体の劣化が進み、高額な修繕費用が発生する可能性があるため、早めの補修が重要です。
屋根の点検は高所で危険が伴うため、自分で調べるのではなく、専門業者に依頼するのがおすすめです。
適切な屋根管理によって、長く安心して住める家づくりを実現できます。